中古の木造住宅に潜むトラブルとは?購入する前に知っておくべきこと


中古住宅市場の活性化により、一般の方が中古住宅を購入する機会がこれまで以上に増えてきました。
しかし、古い中古住宅には未整備のまま残っているものも多く、
特に、古い年代に建てられた木造住宅には様々な危険が潜んでいます。

ここでは、中古の木造住宅に着目して、
購入時のリスクや確認すべきポイントについてご説明します。


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■1981年以前に建てられた木造住宅に要注意

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建物を建てる際に必ず守らなくてはならない法律が、建築基準法です。
壊れない丈夫な建物にすることだけでなく、
中に住む人を守る建物にすることが、この法律の重要な目的です。

日本の気候に適した木造住宅は、
いまなお鉄骨やコンクリートより着工数が多く、
長い歴史を持つ工法です。

建築基準法では、この木造住宅に関する耐震性や強度の改定が何度も行われてきました。
しかし、それゆえに古い木造住宅は法改正前の状態で残っている確率も高く、
購入する際に適切な補強リフォームが必要となることもあります。

特に注意しなくてはならないのが、住宅の築年数が、
耐震基準の改定が行われた1981年以前かどうかという点です。

1981年以前に建てられ、なおかつそれ以降一度も耐震改修工事が行われていない、
現行の耐震基準に満たない建物では、リフォームや補助金利用の際に、
耐震改修工事の実施を求められることがあります。

■違反建築物がまぎれやすい木造住宅

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先ほどの耐震基準のように、建築当時は正しく設計されていたにも関わらず、
法改正によって違反となってしまった建物は「既存不的確」と呼ばれます。

一方、建築した時点で既に法に違反していたものは「違反建築物」と呼ばれ、
誰からも手直しされないまま、現在も残っていることがあります。

木造住宅は、鉄骨やコンクリートに比べ、
建築の際に様々な強度規定が設けられている工法です。

例えば、木造3階建住宅や、ビルトインガレージを木造で建てる場合は、
厳しい検査をクリアできなければ、強度不足とみなされ建築できないことがあります。

無理な設計や増改築によって強度が損なわれたまま、
何年も放置された木造の違反建築物は、
耐久性も著しく落ちている恐れがあるため、
購入には非常にリスクを伴います。

■木造=リフォームしやすいとは限らない

よくある誤解として、「木造住宅は部材が柔らかく加工しやすいが、鉄骨は切断できないので、鉄骨造住宅はリフォームしにくい」というものがあります。

しかし、実際には、木造だからといって、
自由に部材の切断や取り外しができるわけではありません。

リフォームのしやすさは、木造や鉄骨造などの構造材の違いではなく、工法によって決まります。

家全体を壁で支えるツーバイフォーなどの壁式工法では、
窓の新設や壁の撤去ができず、リフォームの際に制約が多く生じます。

一方、柱と梁でフレームを作る軸組工法は、
壁の取り外しが比較的行いやすく、リフォームに適した工法です。

とはいえ、軸組工法でも構造上重要な柱であれば取り外しはできません。
もし、リフォームすることを前提として物件を購入する場合は、
できるだけリフォーム業者に同行してもらい、
リフォームが可能かどうかも同時に調べておくと良いでしょう。

■古い木造住宅は、木材の加工技術が劣っている

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木材は比較的柔らかい素材ですが、
家の強度は建て方や住み方によって決まるため、
木造でも鉄やコンクリートと同等の耐震性や強度を備えることは可能です。

例として、築100年以上の木造の古民家でも、
何年も手入れを十分に行った結果、
丈夫なまま残っているものもあります。

しかし、長いあいだ人が住まず手入れも行われなかった木造住宅では、
屋根や外壁の劣化が進行し、雨漏りや害虫が侵入して、
構造材の木材になんらかの腐食が発生している恐れがあります。

近年の木造住宅では、最新の加工技術で生産された丈夫な木材が使われているため、
鉄よりも長持ちすることがアピールされています。

しかし、古い年代に生産された木材は、乾燥が不十分であったり、
耐久性維持のための適切な処理が行われていなかったりと、
強度に問題を抱えていることもあるため、
現代と同じ考え方が通用するとは限りません。

■まとめ

中古住宅を購入する際は、何らかの補強や改修が発生しますが、
木造では普段以上にその可能性が高くなる点を覚悟しておかなければなりません。

現行の建築基準法を満たす設計となっているか、
強度は十分か、これまでにリフォームされたことがあるかなど、
物件の情報は十分集めておく必要があります。

近年では、中古住宅や木造住宅の改修工事に利用できる補助金が、
各自治体で用意されていますので、購入の前に調べておくと良いでしょう。



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