エネルギー消費量とエネルギー生産量の差がほぼ0に等しい、
省エネ性に非常に優れた「ZEH(ゼッチ)住宅」は、
高い光熱費削減効果をもたらします。
しかし、手に入れるためには高額な建築コストを覚悟しなければならず、
どの業者に見積もりを取るべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そんなZEH住宅を納得して建てるためにも、見積もりを取る前に、
ZEH住宅に優れたメーカーと、その特徴を把握しておきましょう。
ZEH住宅は建築コストも高額
ZEH住宅の省エネ性は、エアコンや照明など生活で消費するエネルギーを、
太陽光発電などの創エネ設備で生み出したエネルギーで、
相殺することによって実現可能となります。
ですので、消費するエネルギーを節約するためには、
従来よりも高い断熱性を備えた家を建てなくてはなりません。
しかし、ZEH対応の断熱性は並の金額では作れず、
さらに、太陽光発電やHEMSなどのオプション機器の分も含めると、
約300~600万円の費用が必要です。
もちろん、ゼロエネルギー化が無事達成できれば、
年間の光熱費コストは非ZEH仕様の住宅に比べて数百万円近く節約することができ、
高い建築コストも数年で回収することができます。
しかし、万が一ゼロエネルギー化が思うように実現できなければ、
投じた高い建築費用の恩恵を満足に受けることができませんよね。
このような事態を避けるためにも、次の項目では、
ZEH住宅を任せられるメーカー選びの条件について解説します。
ZEH住宅を任せられる業者の条件
ZEH住宅を安心して依頼するためには、
以下の2つの条件を満たす業者が望ましいと言えるでしょう。
・ZEH住宅の建築実績が豊富である
この2つの条件は、相互に作用して成り立っています。
ZEH住宅の実績が豊富であればあるほど、
部材の流通ルートや断熱性の計算にかかるコストを抑えるために、
独自に合理化が進めてられている傾向にあると言えるでしょう。
ZEH住宅に定評のあるハウスメーカー
それではここからは、建築コスト・実績ともに、
ZEHに造詣が深いハウスメーカーを3社ご紹介します。
積水ハウス
数あるハウスメーカーの中でも、
ZEH住宅に最も取り組んでいるのが積水ハウスです。
2014年に請け負った住宅のうち59%がZEH住宅というその数字からも、
メーカーの意気込みが感じられます。
積水ハウスのZEH住宅の特徴は、
他のハウスメーカーがあまり採用しない「エネファーム」を、
積極的に取り入れている点と言われます。
エネファームとは、従来は捨てられていた排熱を再利用して、
効率の良い熱供給を実現する給湯暖房機です。
積水ハイムは、このエネファームと、
高い断熱性を併せ持った住宅商品「グリーンファーストゼロ」によって、
太陽光発電だけでは達成が難しいゼロエネルギーを、多くの家庭で実現しています。
セキスイハイム
セキスイハイムでは、太陽光発電・HEMS・蓄電池の3点を備えた
「スマートパワーステーション」というZEH標準仕様の商品を、
2013年より展開しています。
セキスイハイムは元々、太陽光発電による、
光熱費削減のメリットをアピールしてきたメーカーです。
「スマートパワーステーション」を発売する前から、
「ミライクラス」という高断熱のZEH仕様住宅に取り組んできたことからも、
省エネ性に優れた家づくりに前向きな姿勢が伺えます。
一条工務店
一条工務店は、なんと言っても断熱性と気密性で、
高く評価されているハウスメーカーです。
そのため、特別な断熱コストをかけずとも、
従来の一条工務店の工法でZEH仕様に近づけることができます。
【一条工務店公式HPより引用 ichijo.co.jp】
゛超ZEHモデル”と称した「i-シリーズZero」は、
3層ペアガラスのサッシや、
外壁の内外に充填された発砲プラスチック系断熱材「EPS」など、
標準的な仕様を上回る充実の断熱設備を搭載。
接地費用を売電収入で後払いできる太陽光「夢発電システム」など、
ZEH住宅の建築コストにも配慮した家づくりも、注目すべきポイントです。
いま検討しているメーカーはZEH住宅に強い?
もしかすると、この3社以外で、
すでにZEH住宅の見積もりを検討している方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、今回ご紹介したメーカーが、
「なぜZEH住宅に定評があるのか」を理解しておくと、
この3社以外で見積もりを取る際も、その知識を役立てることができます。
上記3メーカーがZEH住宅に強い理由を読み解くと、
以下の点にお気づきになると思います。
2.様々な省エネ設備の知識を持っている
3.家の省エネ性が、住む人の喜びに繋がることを理解している
特に1と2は、メーカーのこれまでの歩みによって大きく差が出る箇所です。
ZEH住宅が登場する前から、断熱性・省エネ設備に積極的に取り組んできたか、
過去の実績や施工事例、創業当時の業務内容などから、慎重に見極めましょう。
まとめ
極論を述べると、高い建築コストをかけ、大容量の創エネ設備を用意すれば、
どのメーカーでもZEH住宅を建てることは可能です。
しかし、それではZEH住宅を無理やり建てたという意識が強くなってしまい、
ゼロエネルギーが達成できたとしても、真の喜びは得られないかもしれません。
見積もりで納得できたメーカーでZEH住宅を建てることができれば、
住んだ後に生じる光熱費の節約効果も、より高く実感することができますよね。
ZEH住宅の見積もりを取るときは、
今回ご紹介したZEH住宅に強いハウスメーカーの特徴を参考にしながら、
複数社を比較してみましょう。