お世話になっている工務店の建売住宅の棟上げがありました。材木の等級や材種を解説したいと思います。
使っている材種と等級
今回の建売住宅は、建坪30坪前後の小さめのご自宅です。
【土台関係】
土台⇒桧 一等上(少しおちがある)グリーン材 4M×105×105
大引⇒杉 特一等 グリーン材 4M×90×90
根太⇒杉 特一等プレナー 4M×45×60
【構造材】
梁桁⇒180までは杉、180以上は米松、一部集成材です。
※梁桁KD材及び杉と米松の集成材(HB)です。
【柱関係】
柱⇒杉 KD材 3M×105×105
間柱⇒杉 KD 3M×30×105
筋交⇒米松 KD 30×105 45×105(長さ4Mと3M)
化粧柱⇒杉4面無節 3M×105×105
【母屋 等など】
母屋⇒杉 一等上 グリーン材 4M×90×90等など
破風・鼻隠⇒杉 特一等 4M×24×180
※屋根はパラペットを立ち上げ、片流れのガルバリウム鋼板仕上げです。
●下記に材木の材種や等級の説明を書いています。ご参考下さい。
⇒【マイホーム】新築なのにクロスのひび割れ!!防ぐ方法は??
この物件のグレードUPさせるとしたら・・・
土台
土台の桧をKD材、大引も杉から桧のKD材に変更するとグレードUPできます。
グリーン材とKDを比べると性能はUPしますが金額も上がります。
根太を杉から米松や赤松に変更しKD材にする。もしくは杉のままでKD材に変更します。
梁桁
梁桁は杉や米松ではなく、全てを集成材に変更するとグレードUPできます。
集成材は、レッドウッド(欧州アカマツ)が一般的ですが、予算上ハイブリット(杉と米松)を使うケースもあります。
※地域や工務店により、集成材の材種も異なります。
柱関係
柱等は、集成材ではなく、杉のKDで十分だと思います。※個人的な見解です。
柱は縦方向に使うものなので、杉で十分ですし、最近は、在来工法であってもパネル構法を取り入れているケースが多いのでそこまで考える必要はないのかと個人的に思います。
母屋関係
母屋や小屋束も杉グリーン材からKD材に変更するとグレードUPできます。
胴縁などの材種について
内部で使う材木は、野縁や胴縁があります。
野縁とは、天井下地のことで、胴縁は壁などの下地になります。
柱に直接ボードを付ける場合もありますので、必ず内部胴縁を入れる訳ではありません。とはいえ、片引戸の裏下地などには胴縁を入れると思うので、必ず材種や等級のチェックをしておきましょう。
一般的にはKD材を使いますが、中にはグリーン材を使う工務店もあります。グリーン材の場合、木の収縮で壁面の不陸が起こり、クロスのひび割れの原因にも繋がります。
建具周りなども、グリーン材だと建て付けが悪くなる等の不具合発生の原因となる場合があります。内部胴縁は必ずKD材を使用しましょう。
外胴縁に関してですが、15mm金具で外装板を取り付ける場合は胴縁不要です。釘打ち施工や5mm金具で外装板を施工する場合は、外胴縁が必要です。
外胴縁は一般的には米松を使用するケースが多いようです。工務店によって施工方法が違いますので事前に確認しておいた方が良いでしょう。